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V1.親の立場から(あるメーリングリストへの投稿) | |||
どんなところ? | |||
親御さんや大人の方向けのページ | ある芸能人の方が先日、テレビで壮絶なイジメ体験を話してくれました。 これだけでも本当にひどいことで、私だったら耐えれませんが、テレビで話せるのはここまでで、もっとひどいイジメを受けたようです。 そんなにイジメられながら、家族の前では普段通りに過ごしたそうです。何故なら、お母さんやお父さんが大好きで心配かけたくなかったとのこと。イジメられるのが嫌で学校を休んでいたら、その子たちのイジメはエスカレートしていったそうです。挨拶もきちんとできて「いい子」にみえるので、大人はその子がイジメていることには気がつかないみたいでした。 大人の私たちは、「学校では大人にはわからないようなひどいイジメがおきていて、誰にも言えなくて苦しんでいる子たちがいる」ということを、もっと認識する必要があると考えます。 子どもから休みたいなんて言う時は、よほどのことなので休ませてほしいです。 子どもは大人が聞く耳があれば、4〜5歳くらいの小さな子でも、自分の気持ちを話してくれます。 私も子どもが4歳の時、「小さな子でも大人が尋ねて、答えを待っていたら、ちゃんと自分がしたいこと、嫌なこと、自分の気持ちを話してくれるよ。」と聞いたので、家に帰って試してみました。 そうしたら驚くことに、子どもは本当に自分の気持ちをしっかり話してくれて、子どもってすごいなあ、こんなに小さくても自分の意見持ってるんだって思いました。 ですから、小学校低学年などで不登校になられたお子さんがみえたら、「この子はまだ小さくて何もわからないから、親や先生の言う通りにさせなくては…」ではなく、 その子が、おなかがいっぱいで眠くはなく、心が落ち着いている時、見たいテレビや遊びたいゲームが一段落ついた時などに、試しに子どもさんの気持ちを聴いてみてくださいね。きっと素晴らしい言葉が返ってくると思いますよ。 ただし、この時に「なんで学校行かないのか?」と尋ねるのはおすすめしません。 理由がよくわからない子もいますが、『学校』『先生』『友達』などの言葉の中に、触れられると怖がる子もいます。 イジメなどで恐い思いをした子は、自分の心と身体を守るために、あえてその時の記憶を消している子が多いようです。せっかく嫌な記憶を消しているのに、思い出させるような酷なことはしなくていいですよね。 先日のメールでお手伝いの話しをしましたが、あちらは休みだして初期の頃のことで、家族が、お母さんだけでもお子さんの不登校を少しずつ理解できるようになり、子どもさんも、ゆっくりゆったり、心と身体を休めることができ、「たいくつ〜」という言葉が出てきたら、その時は、それぞれのご家庭に合わせて家族の一員として、お手伝いしてもらうことが増えてもいいと思います。 先日、「家にいる子どもを責めないでほしい」と話しましたが、お母さん方の中で、もし、子どもさんが不登校になったことで、自分の子育てを責めてみえる方がいたら、どうぞ過去の子育てを責めないでほしいと思います。 親さんは自分の子育てを責めないでください。 誰からどう言われようと、自分なりに一生懸命頑張って子育てしてきました。子どもが不登校になっても、それは子育ての失敗ではありません。 失敗作だなんて子どもさんに対しても失礼な話ですよね。時間がたてばわかると思われますが、「不登校できるくらいよく育ってくれた」と我が子をほめたたえてもいいと思います。 過去の子育てがどうで、あの時こうしなかったから、不登校になったなんて考え込むのではなく、それはそれとして、「今から」この子とどう向きあっていこうかが大切だと思います。 「親の私が変わらないから、この子はいつまでたっても…」という方もみえますが、30代の方は30数年、40代の方は40数年、50代の方は50数年、親はこのままの性格で生きてきました。それを今さら変えれと言われても、そんなの無理というものです。 ここで、親や祖父母ができることは、子どもは自分とは、孫と自分とは違う人間だということを、しっかりと認識する必要があると思います。 (以前ある会で出た話しです。)一番わかりやすいのは、私は学校に行ったけど、行って当たり前だったけど、この子は学校に行かないことを選んでいる。それも「有り」なんだ。 他にも、□□に対して、私は○○と考えるけれど、子どもは▽▽と考える。私にはその▽▽がよくわからないけれど、でもそれも「有り」なんだ。 子どもと親の私は、たとえ親子といえど、まるっと同じ人生は歩めない。子どもには子どもの歩む人生が、私には私の歩む人生がある。わかっているつもりでも、子どもが不登校になってから、あらためて考えさせられます。 こんな話しも聞きました。僕は、「親は子どもの犠牲にならなくてもいい。」と考える。 「今は子どもの自分も、親になった時、子どもの犠牲にならなくてはならないのなら、孫子も代々、親が子どもの『犠牲』にならなくては、と、苦しいのではないか?」「自分の親が、自分の犠牲になってくれたのなら、自分は自分の人生をもっと楽しんで生きよう!」と子どもながらに深く考えた。60代の男性からの話しです。 また、子ども時代に不登校を経験した若者たちからは、「親に望むことは、親は自分の人生を幸せに過ごしてほしい。」と言っています。 子どもには、ついきついことを言ってしまいがちですが、こんなことを想ってくれているのですね。 「子どもに要求しすぎない」ことも大切ですね。 親としては、ついつい、子どもが今できること以上を望んでしまいます。 「もっと△△してほしい。もっと◆◆できたらいいのに。」 でも、自分にあてはめた場合はどうでしょう。 「もっと毎日家中、ピカピカに掃除してほしい。特に台所のレンジ周りも。」「料理も、和洋中だけでなく、インド料理やいろんな種類の美味しいのを完璧に作ってほしい」「家族の洋服は全てオシャレなもので手作りだといいのに」「布団も職人さんみたいなの作ってよ」「海外旅行のために、英語以外にフランス語や中国語など5〜6国語はペラペラに話せるようになってほしい」 なんて要求されたらどうでしょう。 私は無理です。ごめんなさい。そして、おばさん気質でこうも言うでしょう。「そんなの全部できなくたって、今まで生きてきたし、これからも充分生きていける。」と。 よく言われますが、私もまだまだです。「子どものできない部分ばかり見るのではなく、できる部分を見つけてほめてほめて伸ばすといい」 祖父母の立場の方にもお願いがあります。貴女の娘や息子は、子ども(孫)が不登校になったことで、結構しんどい思いをしています。初めての経験だけど、わけわからないなりに、頑張って子どもを理解しようとしたり、学校の先生などとのやり取りも大変なんです。正直いっぱいいっぱいです。 そばで見ていて、人生の大先輩の皆さんからは、ほんと歯がゆいと思われます。が、親としての人生最大の危機かもしれないこの時に、これでも自分なりに頑張っています。 どうぞ、孫ともども、貴女が産んで一生懸命育てた、娘、息子を信じて見守ってください。お願いします。 私たち親も、やはり「子どもを信じて待つ」が大切なんですよね。 そうそう、忘れてはいけないのが「子どもを『いつになったら動き出すか』と見張るような見守りかたはしないでほしい」というもの。以前、ネットワークのシンポジウムで聴いた、不登校を経験した若者の話しです。 いろいろお話ししましたが、子どもへの対応や、不登校をどう考えるかなど、今日聞いて明日から即実行できるというものではありません。不安や悩みは次々出てくると思われます。 そんな時は一人きりで、ひとつの家族だけで悩まないでくださいね。 一緒に考えていきましょう。 |
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